サイトオープンの原点
もう、数年前の話になりますが、他の病院から、長期療養目的で入院してきた患者さんの話。
前の病院では、
「もう家に帰ることも、食べられるようになることも出来ない状態」
と、送られてきました。
意識も頭もはっきりしていて、普通のおじいちゃんって、感じの人。
また、家族さんに話を聞いても、
「同じことを言われて、半分覚悟してるです。
でも、吐くからって、鼻からの栄養は1回で3時間以上かけていれてて、もう起きてる間ずっと入ってるのが、見てて辛くて・・・。
本人もその間動けないし・・・。 鼻からの栄養が少しでも早くなれば、まだ起きてることもできるから、ずっと寝たきりにならなくてすむし、意欲も出ると思うんです。」
と。
実際、その患者さんは、鼻からの栄養の為に朝昼晩の食事として、
6時13時18時と管が繋がれ、その間寝たまま。
なので、起きてるられる時間も少なく、徐々に生きる意欲もなくなってきてたんです。
本人の望みとしては、
「死ぬまでにもう一度お寿司が食べたい」
でした。
そんな患者さんを担当したんですが、
吐く原因は、ただ単にお腹の切開術後の腹膜の癒着。
胃の拡張性がなくなってて、徒手で癒着を剥がして、
胃が拡張出来る内臓の環境を整えていっただけで、改善してきました。
また、吐かなくなったことで、
起きてる時間も長くなり、生きる活力も出て、
リハビリにも意欲的になりました。
同時に、飲み込む時の反応と力が落ちていたので、
そこを嚥下の専門家である、言語聴覚士にお願いをし、
機能の回復を分担して担当してました。
そんなこんなで、
最終的には、食べたかったお寿司も食べられるようになって、
一本杖をついて自宅に帰っていきました。
この患者さんを通じて、 歩けるようになってきたときの、
「付き添いあったら1人で歩いてもいいんですか!?」
って本人と家族さんの喜びよう、
初めはゼリーからでしたけど、
口から初めて食べられるようになったときの
「美味しいです!」
って嬉しそうな表情。
また、自宅に帰った時に困らないように、
住宅改修や福祉用具の打合せに、自宅に患者さん本人同行で一緒に行った時の、
帰ってきたんやぁーって、
やっと落ち着く家に帰ってこれた
っていう本人の笑顔と、家族のほっこりと暖かい雰囲気。
そこで、念願のお寿司を食べた時の
「美味しい」
って言ってた顔。
見てて、本当に嬉しくて、リハビリという仕事の醍醐味みたいなもんを感じました。
退院してから数日後、
わざわざ、
「元気でやってますよ」
って、病院に遊びに来てくれたことも凄く嬉しかったです。
この出来事が、自分事のように嬉しく、
「食べたいものが食べられるようになる世界」
って素敵やなって思って、
それがいまの活動の原点になっています。