PTが行う食事時のシーティングの間違い

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こんな質問がありました。

STで、普通型車椅子のシーティングをPTに依頼しました。
が、より嚥下状態が悪くなって、リスクなので、ベッド上ギャッチアップでの食事にしていくようにとPTに言われました

と。

さて、これをどう考えますか?

まず、このPTは嚥下を知っている方だったのかどうか?

上記の対応を考えたら、たぶん、その方は嚥下を知らないでしょう。

嚥下状況を、
座位の姿勢はもちろんのこと、

食事動作として、
介助、自己摂取問わず、

どのように食べているのか?
取り込み方は?
飲み込む時の姿勢と動きは?

最低限この辺りを診てみてからシーティングをしないといけません。

いい姿勢だから誤嚥せず食べられるって訳ではないんですよね。

で、またムセてるなら、そのムセの原因が何にあるのかをも診ていかないといけません。

姿勢と食形態の関係性もありますし、
シーティング前後でどう変わったのかをも診ていく必要があるわけです。

そして、シーティングしてより悪くなったとしても、いきなりベッドってのもおかしな話なんですよね。

せっかく食堂に出て食べるという、患者さんにとってみれば、部屋からの外出機会を奪ってます。

身体的にみたら、ベッドに張り付き機会が増すので、徐々に全身持久力は低下するし、免疫力も低下していきます。

筋力も低下したり、可動域も使わないと狭小化するし、嚥下のことを考えても、ベッド上ギャッチアップの姿勢を毎回正しく作れないと、逆にまたムセに繋がって最悪食べれないってことにもなってきます。

と、こんな感じで、どんどんと廃用を作っていってしまいます。

それに、ベッドとなると、職員の数がよほど多くないと、看護や介護は普通は嫌がります。

だって、食堂なら、一緒に見れるのが、部屋になると、1:1ですから。

手間も時間もかかるのです。

ってなると、双方にとってもいいことがない。

でも、意外とこういうことって臨床では多いみたいです。

STもPTに依頼を投げるだけ、投げっぱなしではなく、ST的な視点で確認するってことが必要ですし、

PTもPTで、嚥下を知らないなら、どういった姿勢を作っていくのがいいのかを、

例えば、問題点は何で、どんな要素を解消したらいいのかってことを、STに聴かないといけないんですよね。

そして、シーティングしたらしたで、結果をSTに聴いたり、自分で見たりし、時には一緒に介入すべきだとも思います。

そうすることが、職種間コミュニケーションってことですよね。

そして、依頼をした側の責任と、された側の責任ってもんです。

なんせ、患者さんにとって、不利益に繋がるかもしれないことなので。

シーティングだけでも、実は単位請求できる、立派なセラピストとしてのアプローチです。

シーティング一つで、出来るようになることもありますし、リスクを回避することも出来ます。

是非、シーティングにも、力を入れていってくださいね!

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