【嚥下におけるプロセスモデル】
PT.OTにおけるプロセスモデルと、
STが捉えているプロセスモデルってのに乖離があったので、
簡単にお伝えしていきます。
目次
PT.OTにおけるプロセスモデルというのは、問題志向型の解決モデルです。
つまり、
問題が何故起こっているのか?
をひたすら追求して、
解決に向かっていくモデルです。
もちろん、
ADLがあり、
相手の希望、
家族の希望、
他職種がめざしている所、
などなど、
全ての情報を統合して、
そして、
何故、そういった現象が起こっているのか?
そして、それを引き起こす問題を深堀して、
現象を解釈していきます。
と、
簡単に説明すると、
こんな感じです。
しかし、
STにおける嚥下のプロセスモデルというのは、
全く持って違った意味になります。
嚥下のプロセスモデル
これは、
1992年にPalmerらが動物モデルから洞察したプロセスモデルを提唱したもので、
咀嚼嚥下複合体
とされ、
あくまでも食事を食べることに着目したものです。
食事場面は、固形物と液体両方が混ざり合うことなんてザラにあります。
そこでpalmerらは、健常者で嚥下を見直しました。
咀嚼をともなう嚥下では、
食物は咀嚼により、
嚥下可能なまでに粉砕されつつ、
舌により、
中咽頭まで能動的に輸送されます。
そして、
食塊の一部を喉頭蓋谷に溜め込み、
そして、梨状窩に流れ、
ある一定量になると、嚥下活動が起こります。
これは、
VEをみているとよく見て取れる現象です。
ここからは私見になりますが。。。
梨状窩に溜め込み、
反射が起きるまでの時間に関しては、
20代、
30代、
40代、
50代、
と、年齢が高い人ほど、
咀嚼しつつ咽頭に咀嚼しながら流れ込んでいく量も多くなっている印象です。
また、同じ年齢でも、
食事の取り方によっても異なり、
よく噛んでいる人は、咀嚼中の咽頭への流れ込みは少なく、
あまり噛まずに飲み込む人ほど、
咽頭への流れ込みが早くて多い
といったことがありました。
また、
このプロセスモデルは、
自由嚥下(咀嚼嚥下)であり、
一般的な5期モデルは、
命令嚥下(水分嚥下)
です。
これまでは、主に水分での嚥下で研究されてきたことで、この5期モデルが浸透していますが、
臨床においては、
MWSTでは、命令嚥下
food testでは、自由嚥下
として、
またVFやVEでは、
tryするモノによって、
評価していく必要があります。
もちろん、
水分と食べ物が一緒
となると、
また嚥下様式も変わってきます。
と、
プロセスモデルと言うのは、
PT.OTのそれとは、全く違ってきます。
つまり、
臨床におけるプロセスモデルとは、
思考過程であり、
嚥下におけるプロセスモデルとは、
食物の流れていく過程
です。
この辺り、間違えのないようにしてくださいね!